566 日出づる処の名無し sage 2017/10/29(日) 18:28:46.35 ID:CLBv+r8x
>>559 続き
 
■ものづくり、技能伝承難しく
日本経済は、得意のものづくりで自動車や電気製品などの輸出が引っ張る時代が長く続いた。
しかし90年代以降、日本より人件費の安い中国や韓国といったライバル勢が台頭。為替相場が大きく円高に振れたこともあって、生産を海外へと移す日本企業が相次いだ。
一方、国内では、人件費を抑えるために非正規社員や外国人を積極的に活用した。
その結果、非正規社員の割合は4割近くにまで達するようになった。とくに97年の金融危機後、企業は借金、設備、雇用の「三つの過剰」を解消するためのリストラを迫られた。
「こんなひどい状況になっているのか……」。2年前の春。パナソニックで冷蔵庫や洗濯機などの白物家電を担当する幹部は、現場がまとめた内部文書を見て危機感を覚えた。
パナソニックも金融危機後、白物家電の製造現場で主力を担うはずの高卒社員の採用を控えた。
いま製造現場で正社員の割合は約3割。内部文書には「このままでは22年には20%、35年には10%を切る」
といった数字が並んでいた。その結果、「日本でものづくりは続けられない」「技能伝承は難しい」と結論づけていた。
厚生労働省の雇用動向調査によると、90年に20万人を超えていた高卒で製造業に就く人は、年間10万人を割りこんでいる。
そこでパナソニックは、全国12の工場で地域限定社員制度の導入を決め、20〜30代の社員を募っている。
人事担当の松村政三部長は「長い間、正社員を雇ってこなかったツケが回ってきた」と話す。
平成に入って続いた苦境が、日本のものづくりの土台をぐらつかせている。(大日向寛文、下山祐治、高田寛)