バカでもできるデフレ脱却
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51996466.html
日銀の「出口戦略」は時間の問題だと思うが、黒田総裁は粘っている。
それはここでテーパリングすると、彼の掲げた2%のインフレ目標をあきらめたことを世界に示す敗北宣言になるからだが、
まだ量的緩和が足りないと思っている可能性もある。これは昔ちょっと話題になったスヴェンソン
(元スウェーデン中央銀行副総裁)のフールプルーフ理論とも解釈できる。

これは「デフレ脱却はバカでもできる」という意味で、物価水準ターゲティングと為替レート・ペッグの組み合わせだ。
日銀が、たとえば「物価水準を2%上げるために1ドル=120円まで量的緩和する」と宣言して為替介入し、
円を切り下げればよい。
黒田総裁の掲げた「インフレ目標」は、実は円安誘導だったのではないか、と私は指摘したことがあるが、
元日銀理事の早川英男氏の意見も同じだった。ではなぜバカでもできるはずのインフレ目標が失敗したのだろうか?
その原因は、スヴェンソンの理論によれば、円安が足りなかったからだ。
日本の物価水準が望ましい水準を20%ぐらい下回っているとすると、為替の減価でそれを調整するには、
もっと大きな円安が必要だ。彼は2001年に140〜50円と試算している。
スヴェンソンの予想が正しいとすれば、現在の110円程度の円安では足りない。
日銀がもっと激しく緩和して介入すれば、理論的には「よい均衡」にジャンプする可能性もある。


量的緩和だけでこれ以上の円安は無理じゃ。ほかの方法を探そう。