現在、水中グライダー研究でもっとも重要な国は中国である。
中国は世界初の水中無人グライダー「シーウィング」を瀋陽研究所で開発している。
また天津大学のプロジェクトでは、リチウム電池により年単位で稼働するとされる水中グライダーを開発した。
西安工科大学も、波力発電で稼働する水中グライダーの開発に成功している。
しかも問題なのは、近年は水中センサーの発達が目覚ましく、小型無人機がソナー、磁気探知、熱センサー、
光センサー、レーザー探知装置など、あらゆるセンサーを搭載できるようになったことである。
しかも、米中が開発しているタイプはいずれも何時間、何日も行動可能だからである。

現在の「コヨーテ小型偵察無人機」の稼働時間は90分だが、燃料電池技術の進捗によりこれは近い将来に5倍になるだろうし、
そのほかの技術は無限に小型無人機の飛行時間を延ばすだろう。

以上のハンブリング氏の論考は一体なにを意味しているのだろうか。
それは、「National Interest」誌のマイケル・ペック氏が指摘するように、
「高コストで壊れやすい潜水艦」と「低コストな小型無人機の群れ」という
兵器システム間における争いが起こりつつあるということだ。

そして、これは我が国にとっても深刻な影響をもたらす。
海上自衛隊の潜水艦が中国のドローンに追い回され、攻撃される日が来るかもしれない、ということだ。

ドローンが攻撃するのは潜水艦だけではない。
将来、長時間飛行が可能な何千機もの中国の小型自爆ドローンが日本に襲来することもありうる。

その際は、F-35も、いずもも、イージスアショアもイージス艦も、
戦わずして無力化されてしまうだろう。

何よりも、中国はドローンの世界シェア1位のDJIを擁するドローン大国である。
今年6月には119機ものドローンを同時に運用することに成功し、世界記録を作っている。

先日、筆者とプレジデント誌の問い合わせに対し、防衛省は
「小型ドローンを撃墜可能な装備はない」と正式に認めた。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51637