ドン質屋の「散歩」


それは毎度質屋の短い一言から始まる。

「行くか」

ドン質屋の口からこの呟きが発せられた途端、それまで尻を揉ませてお口でご奉仕していたメイド兼護衛達の目付きが明らかに、そう、明らかに変わったのを私は見逃さなかった。
「ご準備を」
短く、しかし必要充分な言葉だけを残して部屋の外へ出ていく彼女達を尻目にドンは私に「君も見ていくか?」と声を掛けてきた。
何が彼を突き動かすのか、この2週間取材をしてきた私に否やはあろうはずもない。

そして、そこから始まった「散歩」を私は…