22 - 衆 - 内閣委員会 - 44号 昭和30年07月20日
○辻正信委員
第二点は、民主党の防衛に対する基本方針、すなわち国力に相応し、空軍を主体とする少数精鋭の自衛軍を
整備する方針を政府は明確に認識されて、その実現に努力されることを要望するものであります。
近代的防衛力が空軍を主体とすることは、常識的に異論のないところであるにかかわらず、日本の国力では空軍は金がかかるから、
安上りの陸軍をまず整え、海空軍は米国にお願いしようとする考えを政府はまだ清算できないように見受けられるのであります。
前大戦で五百万の陸軍がなほ健在し、大和、武蔵の巨艦を擁しながらも一敗地にまみれた原因は、空軍の敗北にあったのであります。
この苦い経験を無視し、または忘れて、旧式な陸上防衛力に重点を置くようでは、日本は永久に独立国家たり得ず、
このよな自衛隊は、飛鳥田君が指摘された通り、米国の植民地的軍隊としての運命を免かれ得ないのであります。
近代戦における戦力は、部隊の持っている火力と運動力の相乗積をもって比較すべきものであります。
参考のために陸、海、空の単位部隊の持つ火力と、運動力を比較しますと、
陸軍は一万二千七百の一個師団が、その全火器をもって一分間に発射する鉄量は約六十トンで、
一時間の平均運動力を二十キロメートルと見て、その相乗積は千二百キロメートルトンとなります。
海軍は千六百トンの駆逐艦一隻が、全火器をもって一分間に発射する鉄量は約八トンであり、
その運動力を一時間五十四キロと見るとき、相乗積は四百三十二キロメートルトンとなります。
空軍はF86一大隊二十五機の全火器一分間の発射する鉄量と、搭載爆弾を合せますと約二十八トンであり、
スピードは一時間一千キロで、その相乗積は二万八千キロメートルトンとなります。
すなわち陸軍一個師団と、一駆逐艦とう一爆撃隊の持つ戦力比は、一、二〇〇対四三二対二八、〇〇〇となります。
しかも陸海軍は平面戦力であるのに、空軍は立体戦力であります。
この比較から結論されることは、一億五千万円の戦闘機一機で、二十四億円の駆逐艦一隻を軽く撃沈し、
空軍二十五機の一大隊は、一万二千八官人の一個師団を手も足も出ないように制圧できるのであります。


石原の最終戦争論みたいだな