コラム:米当局がドル安を容認してはいけない訳 2018年1月25日
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<ドル安容認がドル安加速を招くメカニズム> ドル市場の基本構造
米国は巨大な貿易赤字国であるため、貿易関連のフロー
ドルの市場には世界の輸出企業からのドル売りしかない
また、投資フロー
ドルを売って世界に投資する投資家のフローと
ドル買いを伴いながら米国に投資する投資家のフローがある
ここで重要になるのは、取引の動機だ。世界の輸出企業は毎日のように
米国に輸出した製品の代金 ドルを売って自国通貨に換えなければならない
一方、世界の投資家は、米国への投資をしなければならないわけではなく
良い機会だと思えば、米国への投資をしても良いと思っているにすぎない
米国は巨大な対外純債務国 世界の投資家は米国への投資
積み上がった巨額のドルロング・ポジションを抱えている
米国当局者が「ドル安の方が好ましい」などと発言すると
ドルを売って為替リスクをヘッジ
<米利上げ開始でドル売りの訳>
ドルは米連邦準備理事会(FRB)
利上げ期待が高まる時にはドルが上昇
ドル買いを伴い 米国に投資 フロー
貿易赤字に絡むドル売りを上回る結果
実際にドルが上昇
FRBが利上げを続けられる環境が継続
米国に遅れてその他の世界の景気も好調
投資家の注目が米国からそうした地域に
米国投資家が積極的にリスクテーク
国外に投資したり、世界の投資家が
エマージング諸国など 投資したり
ドル売りのフローが やってくる
そこに米当局のドル安容認発言が
ドルの下落基調が加速する