>>297
「彼」への密着取材を許可されたとき、厚意で広大な屋敷の一部屋を与えられた。
そのとき世話役兼監視役の側近から不思議なことを聞かされた。
「ドンのお部屋に近づいてはいけません。いいですね?」
寝起きの機嫌が悪い人間は多い。そう思った私は当然のように受け入れた。
しかし、私は翌日の朝食の席で驚きの事実を知ることとなるのであった…

民明書房刊 ナニワの商人(あきんど)一代記〜ドンと呼ばれた男〜より