兵頭二十八先生の12月09日付け解説
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Kris Osborn 記者による記事「F-35 Sensor Performs Ballistic Missile Defense Missions」。
F-35に標準装備されているDASという機能を使うと800海里も先から
BMの三次元的な動態追跡が光学的に可能。その軌道データを「リンク16」で地ージスまで速報してやれば、
それだけで対BMのキルチェーンは完成してしまう。つまりイージス艦も早期警戒衛星も日本は必要なくなるという、
空幕にとっては夢のような話。

※グロホはますます不要になるという点も強調したい。

DASはF-35の機体表面にとりつけられた6個のカメラで得られる360度の映像。

※ついでに解説しとく。なぜ対支空母用のLRASMはF-35に吊下させて使う必要があるかというと、
ESMのテクノロジーがF-35用とLRASM用とで相通じているから。
この連繋によって真の対空母奇襲ができる。もちろんF-16やF-2にも吊下できるのだけれども、
国産ESMでは性能がショボすぎて結局F-2が対水上の捜索レーダーを使う必要がある。
それではLRASMの奇襲力のポテンシャルをフルに活かすことはできない。
他方で、なぜ「JASSEM-ER」の方はF-15から運用させるのかといえば、
これは対北鮮のTEL撃破用のスペシャルだから。
防空レーダーすら無い北鮮相手にステルス機をわざわざ飛ばすのは貴重資源の無駄使いとなるのである。
おそらくF-15はほどほどの低空で北鮮海岸まで接近し、急上昇後に「JASSEM-ER」を発射するのであろう。
射程にはえらい余裕があるから日本海上の何百kmも手前でリリースしたっていいのだが、
それでは着弾までに時間がかかり、敵が先にBMを発射してしまうかもしれない。
どうしてもF-15がアフターバーナーを使って急行する必要があるわけだ。
帰りは燃料切れになっても仕方ない。そのくらいの覚悟だろう。こちらがそういうプレッシャーをかけ続ければ、
敵BM操作兵も手順を焦ってミスを犯す確率が増すだろう。