空襲の前日に発見されず、基地航空隊側が我が方と同じ要領で黎明索敵をするという条件下において
敵の哨戒機(我が新鋭の陸攻または飛行艇を基準に時速160浬、視程も我が方と同様に30浬と仮定)と同じ速度で進撃すれば
敵攻撃隊の在空、在地撃破が可能である公算大というのは
別に史実の経過から逆算して導いたわけではないのです
敵の攻撃隊が発進にかけられる時間は
時差や空襲部隊が攻撃隊の発進後も基地に向かう分発見が早まることを考慮するにせよ
長くても40分程度です
即ち我が攻撃隊が進出250浬を(実戦であることを考慮して)毎時160−10=150浬で進撃、発進から100分後に空襲を開始するのに対し
敵哨戒機は我が攻撃隊より10分程早く発進、収容のため基地に向かう我が艦隊(時速25浬とする)を(250+25/6−30)/(160+25)−10≒1時間後、我が攻撃隊の発進の62分後ごろに発見する
この差が理論上のイースタン島の基地航空隊の最大の対応時間です
つまり、敵哨戒機が真っ直ぐ空襲部隊に向かい、攻撃隊は準備万端で待機しているという最悪の事態でも
敵はそれより早く発進作業を始められないのです
この約40分の間に敵がどの程度の機数を発進できるかを見積もれば、空襲部隊の脅威となる敵攻撃機または爆撃機の在地撃破または空中集合中の在空撃破の可否も見積もれるわけです

史実の経過を例示したのは、それが偶然にも想定すべき最悪事態と被っていてわかりやすいからにすぎません