>>780
「制御された墜落」と言われる着艦操作でも、高速で3本のワイヤを捕らえる通常着艦の方だってリスクは
十分高い、今の優れたコンピューター制御なら垂直着艦の方がむしろ楽だろう。

空母で重要なのは狭い飛行甲板からどれだけの最大離艦重量と最大着艦重量で運用出来るかにある。
それは飛ばす機体の燃料と兵装の搭載量に直結する、つまりは航続距離とどれだけ多彩な兵装を
搭載出来るかがそれで決まるからだ(機体そのものの規模も決まる、これが艦上機が陸上機に対して
もつハンディ)。

アレスティングワイヤがあると(と言うか通常着艦が出来ると)主翼の揚力が利用出来るので最大着艦重量
をホバリングして垂直着艦をするよりはを大きく取れる、これは垂直着陸では機体を支えるのにエンジンの
下向き推力と機体重量の差分しか使えないからだ。

そうなると帰投時の燃料と搭載物の持ち帰り能力に差が出る、帰投時の燃料は多い方が安心だし、搭載兵装は
特に今は高価な精密誘導兵器を積んでいるから昔みたいに着艦時に棄せずに可能な限り持ち帰りたい。
そうなると発艦はスキージャンプでもいいが、着艦時は高性能なアレスティングワイヤで大重量の機体を高速
で受け止められた方がベターだ。

カタパルトもスキージャンプもアレスティングワイヤも、陸上の飛行場より遙かにちっぽけな空母の上で
どれだけ重い艦上機を運用出来るかの最大離艦重量と最大着艦重量の工夫なんだ。
艦上機の垂直着陸機能は空母にとって夢の機能だが、最大着艦重量では主翼の揚力が使えず、燃料を食われる
大きなエンジンとホバリング機構のスペースのせいで不利になる。

長文失礼