トーキョーグラードはもはや街ではない
日中から雪はしんしんと降り積もり、1km先も見えない
それは凍るように寒く、殺伐として耐えられないので、
ぬこでさえ自宅のこたつに籠城し、おこたの脚にかじりついて最後の砦を死守しようとしている
動物はこの地獄から逃げ出す
どんなに硬い意志でも、いつまでも我慢していられない
人間だけが耐えるのだ。おおブッダ、あなたは寝ているのですか

                                         ―バス停で並ぶサラリマンの手記