フライトシミュレーター開発会社の社員が戦闘機のフライトマニュアルを密輸した疑いで逮捕される
https://gigazine.net/news/20190516-russian-f16-manuals-simulator-arrest/
「DCS:A-10C ウォートホッグ」「DCS World」といったフライトシミュレーターを開発したEagle Dynamicsの
社員が、陰謀・密輸などの容疑で起訴されました。アメリカ政府は、社員がアメリカの軍事文書をロシアに
密輸しようとしていたと主張。Eagle Dynamicsは、ゲームの開発業務と密輸は無関係であると主張して
います。

DCS Worldは基本無料で遊べる戦闘機シミュレーションゲームですが、「戦闘機の離陸・着陸を覚える
までに1週間もかかることがある」といわれるほど高度に作り込まれていて、フランス空軍ではミラージュ
2000のパイロットを訓練するためにDCS Worldをシミュレーターとして採用したと報じられています。

Eagle Dynamicsの社員でロシア国籍のOleg Mikhaylovich Tishchenko氏は、2016年にDCSシリーズに
ついてのオンラインフォーラムで、オークションサイトのeBayで販売されていたF-16 A/B防空戦闘機
(ADF)のマニュアルをロシアから購入する方法について尋ねたとのこと。このマニュアルは、(PDFファイル
)武器輸出管理法(AECA)と国際武器取引規制(ITAR)によって厳しく制限されていて、アメリカ国外に
持ち出すことは固く禁じられています。マニュアルの出品者はこの法規制を知っていたため、ロシアへ
は出荷できないと回答。しかし、Tishchenko氏は諦めきれなかったのか、オンラインフォーラムで入手
する方法を尋ねてしまったというわけです。そして、オンラインフォーラムの参加者だったテキサス州
出身のKenneth Edward Sullivan氏が協力し、、「Sullivan氏が落札したマニュアルをいったん受け
取った後、モスクワに送る」という方法でTishchenko氏はマニュアルをゲットしました。