本来、攻撃空母(CVA)の対語的存在は対潜空母(CVS)
戦後になって出来た言葉で、ジェット化に伴う艦載機の大型化で最新鋭機の運用が難しくなってきた大戦型のエセックス級空母にプロペラ式の対戦機を集中的
に載せ対潜水艦空母として運用したもの。
それに伴ってミッドウェー級以降の大型空母は戦闘機・攻撃機を集中的に搭載するようになり、これが攻撃空母(CVA)と呼ばれた。
「攻撃型空母」なるものの語源はこれ。

あえて「憲法上、『攻撃型空母』は保有できない」という言い方をしたのは対潜空母なら保有できるという含みがあるとは当初から言われていた。
実際、対潜空母でも必ず自衛用に少数の戦闘機は搭載していたし、任務によっては対潜機を戦闘機や攻撃機に積み替えて攻撃空母的運用をされた事もある。
海自のDDHは元々対潜ヘリを主兵装とする対潜艦であり、まさしく対潜空母そのもの。

まあ個人的にはいずも型が仮にF-35Bを搭載したとしても、公式に「空母」と呼ばれることはないだろうと思っている。
ついでに言うとエセックス級の退役により対潜空母というカテゴリーが消滅するのに伴って、攻撃空母というカテゴリーも無くなった。
対戦機は各空母に分散配備され、単に空母(CV)あるいは汎用空母と呼ばれている。
つまり「攻撃型空母」なんてシロモノはアメリカを含め、現在世界のどこにも存在しないって理屈だって成り立つのよ。