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■「佐川カード」温存がアダに

昨年7月の長官就任時に恒例の記者会見も取りやめた佐川氏は、その後も続く批判に、
「辞めたい」との意向を財務省当局に伝えたが、「疑惑再燃につながりかねない」(財務省幹部)との政権側の判断で職にとどまってきたとされる。

その佐川氏の突然の辞任劇の引き金となったのは、朝日新聞が2日に報じた「書き換え疑惑」による国会混乱と、
9日に発覚した近畿財務局の交渉担当者だった職員の自殺とみられている。

政府が持ち回り閣議で佐川氏の辞任を了承した直後の9日夜、ほぼ9カ月ぶりに財務省内で取材陣の前に現れた佐川氏は、
国会答弁当時と変わらないややこわばった表情とメモを見ながらの慎重な弁明で、取材記者の質問攻勢を交わし続けた。

先行した麻生財務相の「説明会見」で、任命責任を問われた麻生氏は「適材適所の人事だった」と繰り返し、
辞任に当たって佐川氏を減給処分にしたこととの矛盾も露呈した。