もう一遍景気付け

海自は現在80機のP―3Cを運用していることになっています。

問題はP-3Cの多くの機体が整備費の不足で、地上にとまっまま、中には部品の共食い整備で飛べない機体もあります。
具体的な稼働率はわかりませんが、あれこれ話を聞くと7割以下らしいようです。

さて、これからP−1の調達が本格化します。機体の価格は現状一機あたり211億円です。
これに更に初度費がかかります。

果たして海自はこの高い機体と高い維持費を払い続けることはできるのでしょうか。
産の専用エンジンを4発搭載したP−1の維持費は極めて高いものになります。

現在のP−3Cですら、予算不足のために稼働率が下がっているわけです。
P−1を調達したとして、まともに運用できるだけの維持費と訓練費が確保できるのでしょうか。
例えばXP−2の稼働を保障するために護衛艦の数を減らすとか、潜水艦の数を減らすとか、
基地をいくつか閉鎖するとかの話は聞きません。唯一救難ヘリ部隊が空自のそれと統合されて
空自が運用することになるぐらいでしょうか。

常識的に考えればXP−2の調達数を減らすしか解決方法がないでしょう。
恐らく海幕は抵抗するでしょうが、財務省は「だって、P−3Cの稼働率が低いのに放置しているじゃないですか。
それで問題があるならば何故他の予算を削ってもでもP−3Cの稼働率を上げないのですか?」と質するでしょう。
実際海幕の中でもXP−2の調達数削減やむなしという声も聞こえてきます。

海自も政府も魔法を使えるわけではないし、打ち出の小槌や金の卵を産むガチョウをもっているわけではありません。

限られた予算を各分野に割り振っているわけです。その一つの分野の予算が10パーセントを占めていたのが、20パーセントになったら、
どこかを削って増えた10パーセント分の予算を賄う必要があります。小学生でもわかる簡単な算数です。
続く