支持率急落、安倍政権に衝撃=憲法改正・総裁選に暗雲

時事通信の世論調査で内閣支持率が3割台に急落し、安倍政権に衝撃が走った。
学校法人「森友学園」をめぐる財務省の決裁文書改ざんが影響したのは明らかで、政権は危機感を募らせる。
しかし、信頼回復への手掛かりは見えず、安倍晋三首相が悲願とする憲法改正論議や秋の自民党総裁選の行方に暗雲が垂れ込めている。

◇「財務省爆弾の威力」
「国民から厳しい目が向けられている。信頼回復に向けて全力で取り組んでいきたい」。
菅義偉官房長官は16日の記者会見で支持率下落について問われると、硬い顔つきでこう語った。

3月の内閣支持率は39.3%。前月から9.4ポイント落ち込んだ。
調査期間はちょうど前財務省理財局長の佐川宣寿氏が国税庁長官を辞任した9日から、同省が決裁文書の改ざんを報告した12日までで
「改ざんの影響は疑いない」(政府関係者)。

政府関係者の一人は「財務省爆弾の威力はすさまじい」と絶句した。
首相周辺は「政権に対する集中砲火の中、よく踏みとどまった」と強がったが、楽観するほどの余裕はない。

文書改ざんをめぐっては、6日の時点で首相にも改ざんの可能性が報告されていたことが判明した。
野党は、財務省が改ざんを認めた12日まで首相官邸が伏せていたことを批判。
書き換えの「最終責任者は佐川氏」とする政府の説明にも納得しておらず、誰が何の目的で指示したかを徹底追及する方針だ。

世論調査では内閣不支持の理由として、「首相を信頼できない」と答えた人が急増した。
支持率急落の背景には個別政策への反発というよりも、「政権の体質」への嫌悪感が広がっていることがあるとみられ、
信頼回復は容易でない状況だ。