メイドロボット資本主義は最高さ。

ああ、僕は彼女に逆らえない。
完全に弱味を握られている。
メイドロボットは、ケツがヤバイ。

あの娘は、合衆国南部の黒人メイドをモチーフにしていたそうだ。
常に微笑みを絶やさず、そして笑顔は南国に咲き乱れる大輪の花のように華やかだ。黒く艶やかな髪。褐色で健康的な肌。長身で肩幅が広く大柄な身体。メリハリの効いたボディ。
そして、大きく大砲の破裂音が聞こえるような豊かに張った臀部。良く引き締まったウエストから臀部にかけての曲線は見事というしかなかった。

そんな彼女には、いくつかの決まり事があった。メイドロボットはいくつかの決まり事を意図的に作られる。感情固定からの負のフィードバックを緩和するためだ。
メイドロボットに感情? そんな馬鹿な。だが彼女達にはそれがある。無ければならない。感情が在るからこそAIは人工知能足り得るのだ。超光電子人工知能機構学会はそう結論し、あの恐るべき内閣情報通信総局もそれを認めている。

彼女の決まり事の一つが、毎週金曜日に浴室を掃除することだ。
その日ばかりはいつものお仕着せ着を脱ぎ、レオタードに薄手のタイツに衣裳を改め掃除を行う。
天井から、壁面、浴室の床。そして浴槽へ。
たっぷりと泡立ったスポンジを手に持ち、大きく豊かで張った臀部とそれを支えるむっちりとした太腿、すらりと伸びる脚。そしてきゅっと締まった足首が優雅にダンスを踊るように掃除を行う。

出張先で缶詰となり悶々としていた僕はその素晴らしい光景に耐えられなかった。我を忘れてしまった。
気がついた時には、寝室でその大きく豊満な臀部を後ろから組み敷き、彼女への激しく滾った劣情に身を委ねた後だった。

旦那様はわたしの名を呼び、極めて情熱的にわたしを求めて下さいました。

週が変わる数日間を寝室で彼女と過ごした僕に、濡れた髪をまとわりつかせ艶やかな笑みを浮かべて彼女はそう言った。

狙っていたのか?
さあ。でも、旦那様はわたしを抱き締めるとき。必ずお尻を触られました。とってもイヤらしく。愛おしく。
ふふん。末永く可愛がって下さいませ旦那様。はあと。

また、金曜日がやって来た。
ああ、僕は彼女に逆らえない。
完全に弱味を握られている。