>「翌日から、自分がいかに無価値であるかを徹底的に教え込まれることになります」

>山口氏に限らず、新人たちはみんなキャリアの試験をトップクラスの成績でパスした者ばかりだ。
>その彼らのプライドをまず捨てさせるのだという。

>「大学を優秀な成績で卒業して、自信満々で入省してくる新人というのは、どちらかというと使いにくいのだと思います。
>理屈が通らない限り動かないというのでは、仕事になりません。さらに『自分は頭がいい』と自任している態度というのは、鼻につくものです。
>そういう鼻につくプライドをすべて洗い流すために、官僚組織においては、自分がいかに無価値であるかを、新人時代に徹底的に思い知らされます」

>たとえばコピー取りひとつとっても、こんな調子だったという。

>「山口、この書類、コピーとって」
>「何枚コピーしますか?」
>「適宜」

>適宜が何枚かは教えてくれない。書類の内容などから推測しなければならないのだ。

◆忖度力養成◆