トランプ氏はホワイトハウスで声明を発表し、「シリアの独裁者アサド(大統領)の化学兵器能力に
関係する標的をミサイルで精密攻撃する命令を下した」と述べた。

 ミサイルは、地中海東部に展開する米駆逐艦から発射されたとみられる。国防総省によると、
シリアの首都ダマスカスの化学兵器の研究施設や中部ホムスの貯蔵施設などを攻撃。標的に
関して、ロシア側への事前通告はしなかったという。
 トランプ氏は「人間の仕業ではなく、モンスターの犯罪だ」と批判。今回の攻撃の目的を「化学
兵器の使用の強い抑止を確立するためだ」と説明した。またアサド政権の後ろ盾になっている
ロシアとイランを名指しして、「無実の人々を大量に殺害するものと連携するのか」と迫り、「なら
ず者国家や残忍な独裁者を支援することで成功する国はない」と断じた。
 またロシアについては、2013年に決めたシリアの化学兵器廃棄に失敗したと指摘。「今日の
行動はロシアが約束を守らなかったことに直結する結果だ」と批判した。その上で「ロシアは暗い
道を進み続けるのか、平和と安定の力になる文明国家の仲間入りをするのか決めなければならない」とした。

シリア側「13発のミサイル迎撃」
 シリア国営メディアは14日、アサド政権軍が米英仏の攻撃に応戦し、これまでにダマスカスに飛来した
13発のミサイルを防空システムで迎撃したと報じた。

トランプ米大統領のテレビ演説の骨子
・シリアの独裁者アサドによる化学兵器能力に関係している標的への精密攻撃を指示した
・フランス、英国との共同作戦を進めている
・シリアが禁止された化学兵器の使用をやめるまで攻撃を続ける
・(イランとロシアは)犯罪的なアサド政権を軍事的にも経済的にも援助していることに最も責任がある