>>525
>ケン・トンプソンは、それまでUNIXがインストールされる際には、たいてい自分も現場に行って
>一緒に作業をしていたが、バークレーのときはパーデュー大学にいて、その作業に立ち合っていなかった。
>しかし、バークレーのシステムが謎のクラッシュを何度も起こすので、その原因を同定するために
>パーデュー大学からリモートログインして協力することになる。
>とはいえ、当時バークレーには(据え置き型のモデムを内蔵した)三○○ボーの音響カプラしかなかった。
>しかもそのモデムは自動受信機能つきでなかった。結局、トンプソンはバークレーのコンピュータ室に電話をかけ、
>そこで待機していたスタンディフォードに頼んで別回線の受話器を音響カプラに押し込んでもらった。
>こうして、トンプソンは東海岸のニュージャージー(ベル研究所)にいながら、
>西海岸のバークレーのUNIXをリモートでデバッグすることができた。
>バークレーの謎のクラッシュは、ほとんどの場合、一台のディスクコントローラに二台のハードディスクを接続したときの
>アクセスの競合が原因で起こっていた。DEC社のマニュアルにはそれができると書いてあったのだが、
>実際の話、トンプソンはバークレーのPDP-11/45をデバッグするまで、
>ひとつのコントローラによって複数のディスクが制御されているマシンを見たことがなかった。
>トンプソンのリモートデバッグによってバークレーの問題は解決した。