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たとえばダイオキシンは、かつては12キロあれば日本人全員を殺せる、
史上最強の毒物なんて言われていた。でも今では、それほどたいした毒性はないとされている。
なぜ、かつて猛毒と言われたかというと、毒性を調べる実験動物として使われたモルモットが、
種固有の性質としてものすごくダイオキシンに弱かったからだ。
ダイオキシンはモルモットにとっては猛毒だけど、ほかの動物にはそれほどでもないことが、
だんだん明らかになったんだよね。
実際、犬やハムスターはモルモットよりも数千倍強く、人間はそれよりさらに強そうだということもわかっている。

たとえば、1976年に北イタリアの農薬工場で事故が起きて、1万7000人が、
22億人分の致死量(モルモットでの値)にあたるダイオキシンに暴露された事件があった。
これによって住民の血中ダイオキシン濃度は2〜5000倍になっていて、
想像を絶する悲惨なことになるとみんな思ったんだよね。
そして、奇形児の出産を恐れて中絶した妊婦も多数出た。
ところが結局この事故による死亡者はゼロ。それどころか、吹き出物ができた人はいたけど、
中絶されず生まれた子供たちや、高濃度にダイオキシンに暴露した人たちの長期の追跡健康調査でも、
病気の発生率や死亡率など、普通の人と変わりがなかった。