日本で馬車が普及しなかったのは馬車というものが本質的に下り坂に弱いから。
上り坂はいい。馬を増やせば45度だって登れる。
下りはだめ。車両を確実に止められるブレーキが出来たのは
なんと鉄道開通よりも更にあと。ウエスチングハウスの貫通制動機が導入されてから。

それまでは箱根越え(御殿場線)の汽車すら手ブレーキのタイミングを一つ誤ると止めるすべがなかった。
道路用の車でまともなブレーキが付いたものは大正期のT型フォードからということになる。

古代官道は中国式の牛馬車規格だったがブレーキのない馬車は峠だらけの日本では使い物にならず
市内専用の牛車を残して滅びた。牛車が残ったのも多分馬車より下り坂に強いから。