> ……ただし、私は星ドラCMの件に限っては、「シェイシェイ」表記を容認したい立場である。
>なぜなら、ここで登場する“中国的なるもの”は、はっきり言ってリアルの中国とは無関係で、またCMの訴求対象が中国人ではないことも明らかだからだ。
> 初期のドラクエをプレイしていたような30〜40代くらいの日本人男性(筆者も含む)のなかには、「心の中国」とでも呼ぶべきイメージの世界が存在する。
>それは、小中学生だった1980年代から90年代にかけて親しんでいたポップカルチャーの世界に登場した、なんか中華っぽい感じだけれどよくわからないフィクションの世界だ。
> 説明しよう。この「心の中国」では、春麗(チュンリー)がスピニングバードキックを打ってレイレイが暗器を投げている。
>ジャッキー・チェンは酔っ払いながら謎の拳法を使い、テンテンやスイカ頭がキョンシーを封じ込める。もちろん、秘孔を突けば指先ひとつで人体は爆発するし、ゴルフの起源は古代の恐るべき武闘家・呉竜府に求められる。
> 加えて、謎の発明家一家は宇宙船「烈津號(れっつごう)」で家の隣に飛んでくる。アメリカに移住した華僑のじいさんはギズモを飼っている。
>ラーメンマンはブロッケンJr.と死闘を演じ、中国帰りの拳法家が水をかぶると女になったりパンダになったりする事態も、日常的にまま起きる――。



「心の中国」なるパワーワードの誕生を目撃した