「仮称焼夷弾 地上物件および艦船搭載物件の償却が目的である。」
 三式弾や焼霰弾と異なり弾着させて周囲を焼き払う(破片もある)目的の砲弾ですが、
焼夷子の成分は三式弾のそれにテルミット(高温発生に有利)を44.5%も加えたもの。
 7〜14mにある揮発油槽、5〜14mの航空機内特製燃料層には着火するが、
5mの重油缶、9mの重油浸漬鉋屑には点火しないとあります。
 意外に効果範囲が狭く感じられますが、
14cm砲用しか要目が示されていませんから中口径砲弾のサイズの問題もあるのでしょう。

 これは鉄パイプ弾子を使用しない点で貫通の問題では別になってしまいますが、
燃焼については三式弾の燃焼剤を改良したもののようです。