>>670
 破片の存速はそう単純ではないようですよ。「火器弾薬技術ハンドブック」によれば、155mm榴弾砲M107の破片効果として
3.2mm鋼鈑を貫通する破片は
距離213.4mで有効破片数72個、最軽量のものは97.5gで存速209m/s
同91.4mでは280個、29.8g、285m/s
6.4mm鋼鈑を貫通する破片は
 距離91.4mで有効破片数88個、最軽量のものは78.0gで存速387m/s

陸軍築城本部の防護材の評価式では
50kg爆弾を3.2mm鋼鈑で防御可能な距離は約78m、6.4mm鋼鈑では約39m。
しかもこの距離でも貫通してくる破片もあるため重要物の防護には注意を要するとしています。
※この式の性質上距離40m以内を計算するものなので3.2mm鋼鈑の78mは参考値です。

 かなりの距離でも相当数の破片が威力ある存速を残していることがわかります。
磯恵少将の言われる有効距離は単なる個別の破片の威力ではなく、
破片の密度も考慮したものと見る方が妥当です。