さてドイツにおいてエルヴィン・ロンメルに対する発言が波紋を広げているが、誰が何と言おうが彼は実に優秀な軍人であった。今回の騒動はあくまで政治的なものであり、つまり支持率低下を恐れた政権側が敢えて話題を逸らしているのだろう。先日はナチス戦犯の事例もあった。

ロンメルの凄いところは、常に前線で指揮を取った事である。これは機甲部隊の父ーハインツ・グレーリアンとも軌を一にしており、彼らは刻一刻と変化する戦況において、常に適切な判断を下したのだ。敵陣に対して臨機応変に対応するだけに、部下からの信頼も厚かったという。

特筆すべきは、1942年の北アフリカ戦線における快進撃だろう。味方の優位性を早期に判断、実に素早い動きで追撃戦に入らせたのである。もし私が彼の立場だったとしても、同じ判断を下したに違いない。最前線にいる辺り、ナポレオン・ボナパルトとも一脈通ずると言えよう。