女性の乳首、男性より多様 進化生物学の定説覆す

 進化生物学の定説によれば、体の部位は重要度が高いほど、個体間にみられる本質的な特徴のばらつきが小さくなる。
例えば人間の生命維持に不可欠な胆のうや脳幹などには、個人差があまりないという考え方だ。
一方、鼻や耳も極めて有用な器官で働きは皆ほぼ同じだが、形や大きさが違っても主要な機能が損なわれるわけではない。
 すなわち、本当に不可欠な特徴には、機能上の定型から外れすぎないよう進化的圧力が作用する。
一方で重要性の低い特徴に関しては、自然が、より正確にはランダムな変化が、創造力を発揮できると定説では説明されている。
 ここで乳首に関する今回の研究に戻ろう。豪クイーンズランド大学(University of Queensland)のアシュリー・ケリー(Ashleigh Kelly)氏が主導した研究は、学術誌「Adaptive Human Behavior and Physiology」に発表された。
 研究チームは「男性の乳首は原型的な進化の副産物で、女性の機能的な乳首の非機能的バージョンとみなされる」と指摘する。
それに対し、女性の乳首は新生児に授乳するという基本的な目的に沿うようにできている。


(続く)