「官邸のリークなのか」疑心暗鬼の文科省 受託収賄容疑で局長逮捕の衝撃
澤田晃宏2018.7.4 20:15AERA
https://dot.asahi.com/aera/2018070400100.html?page=1
「こんな昭和みたいなこと、誰がやるんだよ」
東京地検特捜部が文部科学省科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)を受託収賄容疑で逮捕したと発表。
この報道に、文科省内ではそんな怒号が飛んでいたという。
特捜部によれば、佐野容疑者は官房長だった2017年5月、私立大学の関係者から文科省の私立大学支援事業の
対象校に選定するよう依頼され、その見返りに今年2月、息子がこの大学を受験した際に点数を上乗せさせ、
合格させた疑いがある。複数の文科省関係者が、その私立大学が東京医科大学だと本誌の取材に答えた。
東京医科大は東京地検の捜査を受けていることを明らかにし、「大学として捜査に全面的に協力している」
というコメントを発表した。
「なぜこのタイミングなのか。特捜が動いているということは、官邸のリークなのか。目的は何なのか。省内は疑心暗鬼になっている」
文科省の中堅職員はそう話す。
「官邸が目の敵にしている前川さん(喜平・元文部事務次官)が在籍した旧文部省へのいじめならわかりますが、
佐野は旧科学技術庁出身者です。目的がわからない」(同前)
そして、このタイミングだったのはなぜ、なのか。文科省の職員が愚痴るのも無理はない。
くしくも今日、7月4日は官庁訪問の初日だった。官庁訪問とは、簡単に言えば霞が関版の会社訪問だ。
官僚志望の学生が希望官庁を訪問し、話を聞いたりする採用プロセスの一つだ。文科省にとっては、今日が就活解禁日と言える。
先の中堅職員は嘆く。
「加計学園問題でただでさえイメージが悪化したなか、それでもきちんと説明し、優秀な人材をとっていく必要があった。
だけど初日にこんな事件が起こったら、もう何も言い訳できない。来年、優秀な人材が文科省に入ってくるのか……」
(AERA編集部・澤田晃宏)

なんでも魔人のせいにすんな