>>629
2 なにしても、やられるだけ

デーニッツは、この原因は、ドイツ空軍偵察機の不手際であると主張した。
二月二十六日、直接ヒトラーに、偵察機の増強とUポート二一型の建造促進をうったえた。
この二一型は前述のように、ワルター式の船体を採用した、水中で高速をだせる新型Uポートで、
デーニッツはこれに大きな期待をかけていたのであった。
デーニッツは、さらに出撃中のUボートをヨーロッパ沿岸から一三〇〇キロの大西洋上へ移動させ、
分散して単独で船団を攻撃するよう命じた。
こうして航空支援から全くきりはなされたUボートは、何回かの攻撃を試み、U577は英コルペット一隻を撃沈したが、
それ以外は護衛艦艇の痛烈な反撃で阻止された。
三月五日にはU744は三〇時間におよぶ攻撃にたえられず、乗組員が艦を放棄するという事態が発生した。
三月二十二日には、デーニッツもついに耐えきれなくなって、全Uポートを大西洋の中央から退避させた。

http://ktymtskz.my.coocan.jp/E/EU2/uboot15.htm#2