>>742
北アフリカでウォーホークに惨敗したナチはホラのインチキの過大戦果報告で対抗した(笑)

高名なドイツの史家パウル・カレル(1911〜97年)も、そうしたことが判って居ず、全体主義国家が国民的英雄に祭り上げたマルセイユに関しては、
戦中、戦後に定説化した、褒め殺しの言葉を残している。
「1942年9月1日、マルセイユは1日に3度出撃し、敵機17機を撃墜した。内16機が公認されている」と。
しかし、1日に3度出撃したにせよ、敵機を17機も落とせるだろうか? 
機内燃料が少ない上、運動性の劣悪な戦闘機で? 武装も貧弱で携行弾数も乏しいのに? 疑うことを知らないのは困ったもの。
史家は刑事も舌を巻く「疑心」を持つべきで、あらゆる物を疑うべきだ。
「敵国の記録も調べろ!」と言いたくなる。とっくに他界して墓の下だが。
さて、英軍側の記録と突き合わせると様相も変わってしまう。
1942年9月1日は、「アフリカ戦線の全域で11機が失われたのみ」である。こちらはジョニー・ジョンソン少将を証人に挙げられる。
撃墜38機のエースで、1966年まで英空軍に在籍した。
ジョンソン少将が調べた結果、損失が「11機」だった――と、すれば、マルセイユ1人が17機も撃墜する謂われがない。おまけに時間も整合しないのだ。
失われた11機の内の2機は、マルセイユの中隊が出撃する前である。
では残り9機を撃墜したか? これもおかしい。だったらドイツ空軍の他の飛行士たちが、全く働いていないからだ。
こちらは木偶の坊ばかりか? 更に付言すると、撃墜を公表した機種にも食い違いがあるのだ。公認も「第3帝国の勝手な言い分」で根拠などない。
この調子で行けば、「ヒトラー総統が火星人と同盟を結んだ。これは公認されている」となり、あらゆるものが「公認」されよう。

http://www1.tcn-catv.ne.jp/maki/review/maki104.html