歴史的豪雨が分かっていながら首相が酒盛りしていた日本と、
大型ハリケーン連発でも死者を出さないキューバの違い
https://hbol.jp/170129

 キューバは気象学が発達している。ハリケーンの通り道でもあるこの島にとって、天気予報は命綱だ。
おかげで、私が滞在した2008年夏、2つの巨大ハリケーンが直撃した時には、
同じハリケーンで100人以上の死者を出したハイチとは対照的に、誰も死ぬことはなかった。
キューバではハリケーンが来る前に、気象予測をもとにしっかりとした準備・避難を徹底させたからだ。

 キューバの気象学の発達を裏づけるエピソードを現地の方から聞いた。
以前もキューバは天災で多くの死者を出していたという。
それは、「天気予報が当たらなかった」のも一因だったらしい。
それに激怒した国家評議会議長(元首)のフィデル・カストロが、
なんと自ら気象学を猛勉強し始め、気象予報士にあれこれと口を挟みだしたというのだ。

 これで慌てたのが気象予報士である。
革命の闘士であり英雄でもある国のトップが自分の専門領域に詳しくなり、
あれやこれやと文句をつけてくる。「玄人はだしの独裁者」がいては、
専門家もクビが危ない。というわけで、気象予報士たちも文字通り必死になって研究を進め、
今では災害予防に絶大な貢献をするようになった。