>>759>>760
 我々が目にする廃艦所要弾数は「海軍砲術史」に掲載されているため海軍の公式なデータだと思い込みがちですが、
黛氏が戦後に独自に設定した数字のようです。
 日露やWWTの各海戦、廃艦に対する実艦的射撃の結果などを参考にしたとされていますから、
一発爆沈から多数弾を受けても沈まない例など双方を考慮したことになりますね。

 元となった黛氏が戦史室に提出した資料に全く同じ廃艦所要弾数があり、
利根型がバルチモア型を撃破するのに要する時間などの計算も添付されていました。
これらに対する戦史室調査員のコメント(S49年)として
「判定資料は若干の検討を要するものを含んでいるが、思考方法採用データなどは研究上大いに参考になるものと認む」
 とあります。
 但し米海軍でも戦前型の戦艦は14in砲弾20発で撃沈と判定していたそうですから似たり寄ったりの弾数と見ていたことになります。

 日本海軍もこれに類する判定基準は作っており、図上演習用として各艦には水上防御力と水中防御力が設定され、
砲弾や爆弾、魚雷1発につきどれだけの防御力を差し引かれるか定められていたとされますが、詳細な数字について残念ながら未入手です。