https://www.athome-academy.jp/archive/history/0000000251_all.html
ギリシア・ローマ史研究者 和光大学講師
塚田 孝雄 氏

──ウナギも食べていたとか。

塚田 ウナギはギリシア時代から食べられていまして、ローマ人も大好物だったようです。
    いろいろな調理法がありますが、大体は裂いて、それも腹からではなく、背開きにしてこれを炭で焼くわけです。
    そしてパピルスや鳥の羽のうちわを使って、パタパタとやっていた。ちゃんとタレのレシピもあるんですよ。

──いわゆる蒲焼きですね。タレはやはり甘みのある…。

塚田 魚醤にハチミツで甘みをつけ、ほかにコショウなどの香料を入れて、それを塗ってはあぶり、あぶっては塗りしていた。
    その匂いに誘われて、並んで買うんですが、我慢しきれなくて家まで持って帰らず、その場で食べてしまった、
    そんな様子を書いた書物が残っています。

──日本の蒲焼きは室町時代ぐらいですから、そう考えると2000年近く前の
   ギリシアやローマで蒲焼きの調理法が既にできていたとは、かなり高度な食文化ですね。

塚田 ウナギはおいしくて栄養があるとギリシアやローマの人達も考えていたようですが、
    食べ過ぎによる体の害についての記述も残っているんです。
    ヒポクラテスによると「魚の頭や、ウナギの食べ過ぎによる肥満が人間の体にとって最大の敵である」そうで、
    脂肪を取り過ぎてコレステロールがたまることは昔も今も感心しなかった。

ローマ以下のブリテン