第二の「緑の革命」を起こし得る新しい品種の稲が開発される

https://gigazine.net/news/20180817-green-revolution-crops/

従来の品種よりも多くの収穫をあげることができる稲や小麦などを開発するために、窒素吸収能力を強化する遺伝子を特定して
少ない肥料でより多くの収穫が期待できるような新しい品種の稲を開発したという研究が報告されています。
この研究はかつて「緑の革命」と呼ばれた大規模な農業革命を引き継いだもので、
使用する肥料の量を減らすことで環境への影響を減らすことができると期待されています。




フー氏率いる研究チームは、植物の窒素吸収不良と低身長の原因と特定されている「DELLAタンパク質」と呼ばれる物質に注目しました。
従来の作物では、植物ホルモンのジベレリンによってDELLAタンパク質の分解が促進されます。
しかし、「緑の革命」で開発された品種は、台風やモンスーンによって収穫前に倒伏するのを防ぐため、植物の丈が低くなるような品種改良が行われています。
研究チームは、「緑の革命」で開発された品種の中でDELLAタンパク質の分解システムがなんらかの理由で機能していないと考えました。

そこで、研究チームは通常よりも丈が低い矮性(わいせい)を示す稲36種類のDNAを比較し、それぞれの品種の窒素吸収能力を調べました。
そして、DELLAタンパク質のコードとなる遺伝子と、成長調節因子(GRF4)と呼ばれるタンパク質の遺伝子を同定しました。
フー氏はGRF4が植物への窒素・炭素の吸収を促し、代謝と成長を促進させ、さらにこのGRF4がDELLAタンパク質の影響を打ち消すことを発見しました。

そこで、研究チームはGRF4をより多く発現するような稲を開発して栽培しました。
その結果、「緑の革命」で開発された品種よりも少ない肥料で十分な収穫量を得られました。
研究チームは、この稲を新しい品種として登録し、特許を申請しているところだそうです。