戦術に「法則」(law)など無い。
戦術「原則」とは、便宜的に定められた「規範」(rule)である。

ギリシア・マケドニアのファランクスは古代地中海世界で最強を誇り、広大なペルシア帝国を滅ぼした。
重装歩兵達に戦術原則を尋ねれば「横隊は最強」と答えるだろう。
ところがファランクスはローマのレギオンに破れた。
レギオントは中世騎士団(東ゴート)に、騎士団はウェールズの長弓隊に、長弓はフランスの砲列に、砲列はドイツのランケネッキに、スペインテルシオに、マウリッツもオランダ歩兵に、グスタフアドルフの三兵戦術にetc.
そこにlawはあるか?ありはしない。
戦闘と言う無限の弁証法による「進化のプロセス」。
それが戦術である。

「不変の原則」?
笑わせる。