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『瀕死のライオン』(下)

(著)麻生 幾
(出)幻冬舎
(叢)幻冬舎文庫 あ-19-7
(版)2010(平成22)/08/05
(¥)617-(税込)
ISBN:978-4-344-41512-6

海上保安庁では何十年にも渡り、北朝鮮に入港した日本国籍漁の船・商船が帰港した直後、船長・乗組員から秘かな事情聴取を営々と続けていた。
聴取内容は『調査票』という素朴な名称で保存・分析されているのだ。表向きの理由は「海図作成・水路誌編纂の為の収集資料」とされていた。
しかし海上保安官による聴取質問事項は、北朝鮮の港に入港している船舶の状況やペナントナンバー把握に止まらない。
荷役施設・荷役の状況、港湾陸上建造物、アンテナ類の情報…更には目にした投錨中の軍艦の状況・ペナントナンバーまで詳細に聴取していた。
必要あらば絵に描かせる事案も在り、どの船長も流石にプロフェッショナルで、各種の船舶・艦艇・港湾施設をほぼ記憶し、詳細を口述・記述できた……