コカ・コーラが豪雨被害で難しい局面へ 慢性的トラック不足も
2018年9月5日
http://news.livedoor.com/article/detail/15258549/
例年にない猛暑が続いた今年の夏。道端の自動販売機で思わず冷たい飲み物を買い求めた人も少なくないだろう。
炭酸飲料の代表格「コカ・コーラ」に、缶コーヒーの「ジョージア」、緑茶の「綾鷹」。
知名度の高い数々の飲料ブランドを製造するのが、国内飲料メーカー首位のコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスだ。
だが同社は、今年6月末から7月初めにかけて山陽地方を中心に襲った記録的な集中豪雨によって、大きな損害を被った。
7月7日未明、広島県三原市を流れる沼田川の堤防が決壊し、氾濫。
隣接するコカ・コーラの本郷工場と、中国地方の物流拠点である大型倉庫が浸水した。
被害を受けた設備と製品の簿価は約90億円に達する。本郷工場は最大時には水が2.5mの高さまで入り込んだ。
生産ラインの被害に加え、パレットと呼ばれる製品を乗せておく板状の台が濁流に流され、使い物にならなくなった。

主力製品の生産ラインがすべて操業停止
本郷工場は、コカ・コーラが全国17カ所に持つ自社工場のうちの1つ。製造能力は全体のおよそ5%を占め、
コカ・コーラ、ジョージア、綾鷹など一連の主力商品を製造していた。
この浸水によって工場にある3つのラインすべてが操業停止になった。
(中略)
飲料業界ではここ数年、配送トラックの不足や物流費の上昇を背景に、鉄道コンテナで輸送を代替するモーダルシフトを進めてきた。
だが7月の豪雨によって、JR山陽本線の一部区間が不通になった。8月末からは倉敷から伯備線、山陰本線、
山口線を経由して新山口に抜ける迂回ルートでの輸送も行われているが、運転本数が少なく、輸送力は依然不足している。
結局トラック不足がボトルネックに
そのため、トラックでの配送を余儀なくされるという“逆回転”が起こっている。そこにコカ・コーラの工場間輸送も加わり、
「配送トラックの奪い合いになっている」(飲料メーカー関係者)状況だ。
西日本でトラックがかき集められていることによって、「関東でも配送トラックの数が足りなくなっている」(サッポロホールディングス)。