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中国が誇る“量子通信の父”

世界をリードする研究分野も出てきている。
その代表格が「量子通信」だ。

「よくいらっしゃいました」
研究室を訪ねた私たちを和やかな笑顔で受け入れたのは、中国科学技術大学の潘建偉教授。
量子通信の研究の世界的権威で、去年、イギリスの科学雑誌ネイチャーが選ぶ「今年の科学者10人」に選ばれ「量子通信の父」とも評されている。

量子通信は、光子と呼ばれる光の粒子に情報を載せる新たな技術だ。
盗聴が難しく安全性の高い次世代の通信技術として、軍事への応用も視野に世界で開発競争が続いている。

潘教授の研究グループは、2016年、開発費100億円とも言われる人工衛星を打ち上げ、
世界で初めて人工衛星と地上との間、およそ1200キロの距離で量子通信に成功して世界を驚かせた。

こうした成果には国の支援が欠かせなかったと話す潘教授。
数年以内に新たな人工衛星を打ち上げる計画だ。