>>614
先週NHK教育で放送した「フランケンシュタインの誘惑」のキュリー夫人編も大概だったな。

キュリー夫人は夫婦&母娘でノーベル賞を受賞し、後の放射線物理学に多大な貢献を成した
ガチの天才学者だけど、この番組ではガチのマッドサイエンティスト扱いされてましたな。

キュリー夫は自分の腕にラジウム溶液を塗って発症した放射線火傷を「これぞ正しく放射線の力!」
と大喜びしたり、後にキュリー夫人が世界的科学者となってパリに自分の研究室を持った際にも、
弟子たちの多くが放射線被曝して手に火傷を負っても、それを恐ろしがるどころか逆に
「これこそ我々が最先端の放射線研究をしている証だ」と誇りにしていたとかねもう。

そしてキュリー夫妻が発見してノーベル賞受賞の研究テーマとなった放射性ラジウムは、1920年代には
「多くの医学的効用を持つ科学の結晶」と見なされ、食品や化粧品を含む多くの商品に添加されました。

もちろん高価で希少な放射性ラジウムはそうそう大量には出回っていないから、添付化されても
極々微量だったり、あるいは全くの偽物だったりしたのでしょうが、いずれにしても放射線障害の
恐ろしさが知られていなかった時代故の蛮勇でしょう。

そして1930-40年代には夜光時計の文字盤に蛍光作用のある放射性ラジウムを塗布する為に、
全米で多くの年若い女性従業員が雇用されましたが、彼女らの多くは細かい文字盤や時計の針に
ラジウム入り塗料を塗る際に、頻繁に舌で筆先を整えてから塗ったので、大量の放射性ラジウムを
経口摂取する羽目になりました。

そうして口から入ったラジウムは下顎の骨に沈着し、やがてその強烈な放射線で下顎に巨大な腫瘍を
形成したり、更に病状が進むと下顎が壊死して腐れ落ちるなどして、20代の多くの女性が死亡しました。

こうした女性は「ラジウムガール」と呼ばれ、後に大きな社会問題になりましたが、キュリー夫人は
この件に関して謝罪したり反省の辞を述べる事などほぼ皆無でした。