米軍のテストレポートでは四式戦の空戦能力について

「P-51H, P-47N と対等以上に比較し得る」
「最大速度では僅かに劣るが、旋回性と上昇力で優れている(運動性は零戦52型よりやや劣る)」
「ただし急降下能力は P-51, P-47 が遥かに優れる」

と評されています。
細かいところでは

「防弾タンク・装甲板・防弾ガラスは装備されているが、消火器や風防緊急投棄機構は装備されていない」
「コクピットが狭く、機内暖房装置もないので居住性は良くない」
「ラダータブが無いので射撃調整に難がある」
「エレベータータブ、座席ロック装置などの作動部にガタツキがある」
「人工水平儀など一部の計器に動作不良がある」
「プロペラは過回転を起こす傾向がある」
「機内の錆止め塗装は省略されており、工作の一部にも粗雑なところが認められる」

などが述べられています。

総論としては合理的に良くまとめられた戦闘機であり、その空戦能力は高く評価されるものの、同時期の米軍主力戦闘機とくらべて特に際立って優れたところはない、という評価が下されています。