ASM-3が開発完了、部隊配備へ −航空新聞社

超音速、スタンドオフ性能など確認

 航空自衛隊の超音速空対艦誘導弾ASM-3が開発を完了し、部隊使用承認を得て、いよいよ量産・部隊配備の段階に到達した。
防衛装備庁技術シンポジウム2018でその概要が明らかにされた。
ASM-3は現有のASM-1、ASM-2の後継として射程も延伸して、敵艦のレーダー覆域外、防空ミサイルの射程圏外から発射可能(スタンドオフ性)となり、目標識別能力も付与され、脅威度の高い目標を選んで攻撃するという。
長射程では当初は高高度を巡航後に低高度巡航、短射程では低高度を巡航する。
 ASM-3の配備は対艦攻撃能力の向上、抑止力の強化に繋がるものと期待されよう。
 要素研究の開始は平成4(1992)年度に始まるという長い研究開発の成果である。
 完成したASM-3は全長約6メートル、重量約940キログラムとこれまで日本で開発された航空機搭載ミサイルでは最も重くなった。

新推進装置を採用
ロケット・ラムジェットを実用化

 超音速性能の発揮にはインテグラル・ロケット・ラムジェット・エンジンを開発、実用化している。
これは固体燃料ロケットで超音速に加速したのち、液体燃料を流入圧空気圧縮により燃焼するラムジェットで超音速を維持するもの。
固体燃料は独立したブースターではなく、ラムジェットの燃焼室内に固体燃料を詰め込んで発射、焼尽後の空洞をラム燃焼室として燃焼を続ける複合燃焼方式となっている。

http://www.jwing.net/news/7174