ルノー出身2人に「陰謀ではない」説得4時間
読売新聞 / 2018年11月23日 22時16分
https://news.infoseek.co.jp/article/20181123_yol_oyt1t50107/
横浜市の日産本社。午後4時半、22階建てビルの最上階に近い役員会議室に
西川広人社長ら5人の日本人取締役が着席し、ルノー出身のベルナール・レイと、ジャンバプティステ・ドゥザンの
両取締役はフランスからテレビ会議で参加した。
「情報がない、事実を教えてくれ」「日本の司法手続きはどうなっているのか」。
「ルノー出身の2人から矢継ぎ早に質問が上がった。
フランスでは、日産とルノーの統合を計画したとされるゴーン容疑者を、
日産側が追放したとの「陰謀説」が連日報道されていた。
日産には、2人が解任に反対した場合、ゴーン容疑者を陥れたとの印象が広がりかねないとの懸念があった。
しかし、報酬を実際より大幅に低く見せたうえ、会社の資金も私的に流用していた手口が詳細に説明されるにつれ、雰囲気は変わった。
「ほんの一握りの人間が金脈を取りに行っていた。こんなことができるのか」。
想像を超える内容に、ある日本人取締役は言葉を失った。
「解任に賛成いただけるでしょうか」。西川社長が決議に移ると、ルノー出身の2人は「アグリー(賛成)」と答え、
解任は全会一致で決まった。
ある日産幹部は、取締役会を終えた後、「陰謀ではないと2人は納得し、はっきり賛成に回った」と解説し、
安堵の表情を浮かべた。