三井E&S玉野で新型護衛艦建造 三菱重工から受注、官公庁向け初
2018/12/11 19時50分 更新[山陽新聞]

 三井E&S造船(東京)は、海上自衛隊向けの護衛艦1隻を三菱重工業(同)から受注した。
三菱重工の基本設計に基づいて玉野艦船工場(玉野市玉)で建造し、2022年3月に引き渡す予定。

 官公庁向けの艦船建造で、三菱重工が受注した新艦船を三井E&Sが建造するのは初めて。
防衛庁の発注が指名競争入札から企画提案を審査する評価型に変更されたのに加え、最高評価を獲得した企業が主事業者、次点が下請けとなる制度も導入されたため、三菱重工が元請け、三井E&Sが下請けに決まった。
三井E&Sと三菱重工の契約額は非公表。

 新艦船は基準排水量約3900トン、全長約130メートル、最大幅約16メートル。
対艦ミサイルや機雷に対応した発射・防御装置、多機能レーダーなどを備える。
日本周辺海域の防衛や海上交通の安全確保に機動的に対応するため、5千トン級の既存艦よりも小型化を図った。
艤装(ぎそう)など細かな部分を両社の技術者で詰めて建造する。

 三井E&Sは官公庁向けに輸送艦や音響艦を建造、三菱重工はイージス艦や潜水艦を手掛けており、今後も個別事業ごとに連携を模索していく。
三井E&Sは「今回の連携で設計技術などのレベルアップを図り、単独では難しい大型案件の受注獲得も目指したい」としている。

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