歴史的経緯を考えれば米軍が撤退したところで日本が中国やロシアに接近するという事はまずあり得ない。
核武装も選択肢に入れた自主防衛力強化の方向に向かうだろう。

元々国力のリソースを殆ど国防に向けてこなかった国なので必要であれば防衛力の強化は容易。
現在GDP比1%に満たない防衛費を欧米並みの2%にするだけで国防費は倍増する。
冷戦時には西欧諸国でGDP比3〜4%、ソ連に至っては10数%の軍事費を支出していた。

通常時であればこれほど大幅な歳出増や予算配分の見直しを伴う変更は関係省庁や国民の同意が得られず難しいが、米軍撤退という状況の根本的変化は
これを行う大きな説得材料になる。
中国やロシアの傘下に入るか、欧米並みの国防費支出を受け入れて自主独立を守るか問われれば国民多数の選択は自ずから明らかだろう。

更に米国にとっては、日本からの米軍撤退自体はそれなりにメリットもあるかもしれないが、日米同盟の解消というのは何のメリットも無い。
勿論、日本にとってもなにもメリットは無い。
「常時駐留なき安保」というのは過去何度も議論に上がってきた事であり、それが現実化するだけだろう。