>109
『今日は剥製プレイといこうか二号。』
『不勉強をお詫びしますドン。そのようなプレイは聞いたことがないのですが。』
『なに簡単だ。今日お客がくるんで、客間の熊の剥製に襲われてる格好でじっとしててくれりゃいいんだよ。』
『ああメキシコのお客様ですね。お詫びに来られるのでしたか。』
『素直に詫びてくれりゃいいんだがねえ。』
『わかりました。そのつもりで準備します。』
『ああ全裸で頼むよ。』
『全裸ですね、わかりました。』
『動じないなw。』
『ドンがお望みのことであれば。』
『全裸じゃ呼吸してるのも血管が脈打ってるのも隠せないだろ。何か工夫しなさい。全裸は終わってからだ。』

その日やってきたメキシコマフィアの巨魁は、前回来日した時にドンのボディーガードだった女性が居間で剥製にされていたのを見て肝をつぶした。
今後は何もかも一切ドンの言うとおりにすると誓いそのように契約を結び、血判まで捺して帰ったという。結局その契約は破られたのだが。

『熊の口に銃を隠していたのですが、とりあえずは使わずに済みましたね』
『物騒だなおまえ。じゃあ全裸のほう始めようか』
『ドンがお望みの事であればw。』

後日
『あれはそういうプレイだったのさビックリしたかい?』
とドンが笑って種明かしをしても、会見の4時間のあいだ身動き一つしなかったあの女は絶対に剥製だったと決めつけて信じなかったという。

更に後日
『最後に私がとどめを刺すときに、あんた剥製にされてたんじゃなかったのか。ドンも冗談きついや。疑った俺が馬鹿だった、と言っていました。』
『笑ってたか?』
『泣き笑いでしたよ。』
『可哀想な奴だったな。』
=======================================================

という訳で、本当にドンが美女を剥製にした訳ではないのだ。