いずも「空母化」で失うものはないか、冷静に考えよう
https://aviation-space-business.blogspot.com/2018/12/blog-post_21.html
日本が対潜ヘリ空母をF-35B戦闘機運用可能な空母に改装する。
これで日本に有益な空母が生まれるのだろうか。それとも強力な対潜戦闘艦を失う代償に限定能力の
空母が生まれるだけになるか。
「日本にこの能力が本当に必要なのでしょうか」と指摘するのはアジア安全保障の研究者コリー・ウォーレスだ。
「各地に広がる島しょ部を有し飛行施設が限られる日本にとってF-35Bは意味のある機体です。
一方で強力なASW兼揚陸艦を訓練空母にしてしまうリスクが生まれます」

問題の本質は海上自衛隊の「ヘリコプター駆逐艦」が小型空母の形になっていることだ。
13千トンの二隻といずも級19千トン二隻がそれぞれヘリコプター飛行隊を搭載するのは対潜用であり
揚陸作戦を想定するからだ。各艦を「空母」と呼ばないのは、日本の戦後憲法が攻撃兵器の
保有を禁じているためで通常の米国型の空母はこれに抵触してしまう。

だが日本は空母のルビコン川を渡る覚悟のようだ。日本はF-35B計42機を導入し、いずもで運用すると発表した。
短距離離陸垂直着陸型のF-35Bなら小型甲板でも運用可能だ。
海軍艦船でも何かを得れば何かが犠牲になる。日本は空母を手に入れて何を失うのか。
「いずも級各艦でF-35Bなら20機を搭載可能です」と政策研究大学院大学の道下成重が
National Interestに語ってくれた。
「ただしいずも級にはスキージャンプがなく、カタパルトもありませんので、F-35Bの作戦半径は限定されます。
F-35多数を搭載すれば対潜機能が使えなくなることがもっと重要で、これが同艦の本来の役割なのです。
このためいずも級へのF-35B搭載は防空能力を向上し敵の勢力圏内で対潜行動を行うことにあるのでしょう」

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空母化発表の前に同種の懸念を持った人が軍板にも少なからずいた。
でも、旧DDHの頃はヘリ積める護衛艦がDDHだけだった
しかし、はつゆき、あさぎり、むらさめ、たかなみ、あたごと、SHを詰める護衛艦だらけになり
ASW艦の必要性なんかほぼ無いだろう。ひゅうがもASWは建造の方便であり本当は最初からSTOVL空母だったのだろう。