経産省とボーイングが異色の提携、裏にそれぞれの不安と思惑
https://diamond.jp/articles/-/191514
この提携合意で経産省がボーイングに約束したのは、航空機の電動化技術や軽量化のための
炭素繊維複合材の製造技術、生産の自動化技術を持つ日本企業の紹介等だ。
航空業界の絶対的王者であるボーイングが、特定の国家とこうした協力関係を結ぶのは極めて珍しい。
背景には同社の焦りがある。

その主因は、航空機業界に急激に押し寄せる電動化の波だ。自動車に比べて遅れていた航空機の電動化だが、
2017年から開発機運が一気に高まり、いまや世界で約60ものプロジェクトが立ち上がる。
中には、20年代前半のローンチを視野に入れたものまであり、開発が加速している。
むろん、実現化に向けた競争は、まず貨物や1〜5人の人員輸送のための電動の“空飛ぶ車”が主戦場になる。
だが、数十席から100席以上の、現在主流の旅客機でも、電動化を急がないわけにはいかない事情がある。
(中略)
電動航空機の開発はもはや、競争力強化を目指す航空機メーカーにとって避けては通れない喫緊の課題となっているのだ。
ところが、「電動航空機の開発において、ボーイングはライバルである欧州エアバスの後塵を拝している」(航空機業界関係者)。
実際に、エアバスはすでに四つのプロジェクトを展開している。その一つが、航空機エンジンメーカーの英ロールス・ロイスと
重電大手の独シーメンスとの、100席前後の機体を土台にした実験機「E-Fan X」の共同開発で、
20年には実証飛行を行う予定だ。
こうした流れの中で合意に至ったのが今回の技術協力である。ボーイングは技術力の高い日本企業との連携を深めることで、
エアバスに徹底対抗するもようだ。
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電動プロペラ機の時代になるのか…