最新リチウム潜水艦「おうりゅう」完成間近 南シナ海での帝国海軍の戦略の幅が飛躍的に増大
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190130-00010000-jindepth-int

・海自は潜水艦電池のリチウム化を開始した。
・目的は南シナ海でのゲール・デ・クルース(巡洋艦戦略)。
・期待効果は中国海軍力の分散である。

リチウム潜水艦「おうりゅう」の完成が間近い。水中動力を変更した最新艦である。
従来は浮上状態ではディーゼル、水中では鉛電池とAIPと呼ばれる水中エンジンを用いていた。
そのうち後2者をリチウム・イオン電池に改めた新基軸艦である。
リチウム電池採用により水中行動力は一挙に拡大する。電池容量はおそらく8倍程度に増加する。
リチウム電池の容量は鉛電池の4倍以上ある。
また、撤去されたAIPエンジン部分にもおそらくリチウム電池が設置される。つまり容量4倍の電池を2倍積み込むのだ。
海自はこのリチウム潜水艦で何をしようとしているのだろうか?南シナ海でのゲール・デ・クルースである。
旧軍では「巡洋艦戦略」と訳された海軍戦略である。リチウム化による性能向上、具体的には長距離展開能力、
戦域内移動力、接敵能力の強化はそれへの指向を示している。
またAIP撤去も従来の待ち伏せ主要からゲリラ戦への変化を示唆している。
海自はそれにより中国海軍力の分散を目論んでいる。潜水艦を広範囲に行動させる。
南シナ海あるいはマラッカ西方まで展開させる。
それにより中国に広範囲での潜水艦対応を強要する。
また中国に南シナ海防衛を強要し、対日正面戦力の転用・減少を狙うアイデアである。
今日、在来潜水艦は基本的には潜水状態で移動する。水中移動して、ディーゼルで充電してを繰り返す。
スノーケル航行による移動はあまりやらない様子である。
当然、移動力は制限される。鉛電池型では最大でも4kt(7km/h)、100時間、400nm程度だ。それで電池切れだ。
そして充電を完了するまで10時間位はかかる。実際は放電量1/3〜1/4で小充電をするのだろう。ただ能力はその程度である。
それがリチウム化により2-4倍となる。電力容量8倍はそれを可能とする。
速力2倍で消費電力を4倍としてもなお2倍の時間移動できる。
8ktで最大200時間、1600nmを移動できるのだ。しかも充電時間は従来のままだ。