F-15Xから思い起こされるF-4ファントム改修構想とその顛末
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1980年にIAIはエンジンにブラット&ホイットニーを選定しF-15用のF100ターボファンを小型化しラヴィに搭載しようとした。
ここから生まれたPW1120はF100より小型だが推力はほぼ同じ、部品互換性も70%を実現した。

1983年にボーイングとプラット&ホイットニーが「スーパーファントム」構想を発表しPW1120搭載で
燃料消費効率を大幅に改良しファントムが50年代から搭載中のJ79ターボジェットより推力を3割増やすとした。
ボーイングのスーパーファントムは機体一体型燃料タンク(CFT)も備え飛行距離は倍増し主翼吊り下げ型燃料タンクより
抗力を改善するとした。ただし米空軍は1984年に同構想の予算手当を取り下げた。

すべての面でエンジン換装後のファントムの性能はずば抜けており、F-4Eの推力重量比は0.86から1.04に変わった。
(1.0以上で90度の垂直上昇が可能となる)
スーパーファントムは上昇性能が36パーセント向上し旋回速度は15パーセント早くなった。
これでF-15Eと同程度の性能となった。エンジンが軽量化したこと、燃料消費が改善されたことでスーパーファントムは航続距離も伸びた。

もっと驚くべきことはスーパーファントムでスーパークルーズが可能となったことで、
アフターバーナーを使わずに音速以上の速度を維持できた。
現時点でもスーパークルーズ可能な戦闘機はF-22ラプターのみである。

スーパーファントムの航空ショーデビューでIAIがPW1120改修に向かい各国で販売するとの予測が出てきた。
だが結局スーパーファントムは販売されず、その理由には物議をかもすものがある。
とはいえ当時の噂ではファントムの原メーカーたるマクダネル−ダグラスの横槍でIAIのスーパーファントムが
同社の新型FA-18C/Dホーネットの邪魔になると妨害されたとも言われる。
スーパーファントムはFA-18Cホーネット(29百万ドル)と同水準の性能だったともいわれる。
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F-15にF119搭載すればおもしろいことになる。2D-TVC付き