>>215
まだ見てるか分からないけど
根本的に、プロペラ機に牽引式が多いのは構造上のメリットが空力的なデメリットを相殺する以上にあるから
純粋な流体力学的事情で言うなら推進式のほうがメリットが多い

流体力学的な事情について
牽引式の場合、プロペラで加速させた流れの中を進むことになる
これが最大の問題点
無風状態で走るのと強烈な向かい風の中で走るのと、どっちが楽かって聞かれたら前者だよね
飛行機や潜水艦もまったく同じで、自分が加速させたプロペラ後流に機体が干渉する位置にあると
本来自分が出してる速度よりずっと速い速度の中を進むことになってしまって
余計な抵抗になってしまうし、騒音も増えるしで大きなデメリットになる

航空機の構造上の事情について
じゃあなんで、わざわざそんなデメリットを受け入れてまで、
ゼロ戦みたいな昔の飛行機は牽引式を採用したんだ、って話になるよね
その根本的事情は翼で発生させる揚力なんだ
揚力というのは、翼に限られた気流の流れが当たっている時にだけ発生する
それも均一に発生するのではなく、翼の前の方に強く発生するんだ
具体的には、翼を前後方向に斬った断面の形状にもよるけど、
だいたい主翼の前から20%ぐらいのところに最も強く発生する
これを揚力中心って呼んでいる
つまり飛行機の重心というのは、この位置に近い場所にないといけない
もっと詳しくいうなら、重心の位置も揚力中心も飛行中に諸々の事情で移動するから
様々な限界という数字が決まっていて、その範囲内で飛ぶように考えて作られている